京都・浄瑠璃寺旧蔵と伝えられ、明治初期に寺を離れたという。子神、丑神、寅神、卯神、午神、酉神、亥神が静嘉堂、辰神、巳神、未神、申神、戌神が東京国立博物館所蔵である。いずれも運慶流の正統な作風を示しており、同一工房の作と考えられる。興福寺東金堂像とともに鎌倉時代前半の代表的な十二神将像の一つで、十二躯のすべてが残ることでも貴重。この亥神像は冑を本体とは別に造り、円頂の頭に被せるなど、写実をもとにした説明的な着想のあることも特色の一つである。