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歌川国貞展~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~

<期間>2018年1月20日(土)~3月25日(日) <休館日>月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火)

※会期中、作品の展示替えを致します。

<前期>2018年1月20日(土)~2月25日(日) <後期>2018年2月27日(火)~3月25日(日)

「錦のように美しい」と称され、江戸時代の庶民を熱狂させた多色摺木版画「錦絵」。江戸時代後期から末期(19世紀前半)を代表する浮世絵師、歌川国貞(1786-1864、三代歌川豊国)は若くから頭角を現し、59歳の時、師の名を継いで三代豊国を名乗り、歌川派の総帥として多くの門人を率いて活躍しました。特に美人画と役者絵の名手として知られています。本展では、国貞の代表作の中から、江戸の香りを色濃く湛えた作品を選び、展示致します。慌ただしい日常を離れ、しばし江戸の街にタイムスリップしてみませんか。

見どころ

見どころ1:8年ぶり、静嘉堂の誇る歌川国貞の作品を一挙公開!

歌川国貞が最も得意とした美人画と役者絵。1枚摺(ずり)の大首絵から、3枚続きの風俗画まで多彩な作品が揃います。登場する人物も実にさまざま。優美な姿の花魁(おいらん)からおきゃんな町娘、忙しく立ち働く長屋のおかみさんまで、いきいきとした江戸の女性たちや、江戸の“いい男”歌舞伎役者の面々も、皆様のお越しをお待ちしております。

見どころ2:圧倒的な迫力の大首絵(おおくびえ)が目白押し!

胸元から上、顔の部分を画面一杯に描く大首絵。何よりその迫力に圧倒されます。女性の繊細な表情がより一層細やかに表現され、眼元や口元のちょっとした動きにその女性の内面が鮮やかに描き出されています。役者たちの命である目にこめられた力も、直接見る者に迫ってきます。そして、これらの表現を支えているのが、彫師(ほりし)・摺師(すりし)の卓越した技術でした。絵の迫力を支える彫り、摺りの細部にもご注目ください。

見どころ3:摺り立てと見紛う鮮やかさ!

「錦絵」の名の由来となった多色摺り。その色の鮮やかさは錦絵の命です。ただ、錦絵は庶民に好まれただけあって、部屋に飾るなど日に当たる確率が高く、褪(あ)せやすい顔料の性質もあって色が退色してしまう危険が大変大きいものです。静嘉堂の錦絵は、ウラ・オモテ貼込みの折帖に仕立てられているため、ほとんど光に当たることなく保存されてきました。静嘉堂の錦絵で、その名の由来となった鮮やかさを実感してください。

主要展示作品

「北国五色墨(花魁)」(ほっこくごしきずみ おいらん)大判錦絵 文化12年(1815)頃

本シリーズは5枚の揃物で、吉原で生活する5人の各階層の女性たちの立ち姿を描いたもの。30歳前後の国貞の画業を代表する秀作ぞろいです。本図は「呼び出し」に位する最高ランクの花魁の姿。斑(ふ)入りの鼈甲簪(べっこうかんざし)に見事な刺繍の前帯、金糸の流れる打掛(うちかけ)が一層豪華さを引き立てています。急いで部屋に戻ってきたところか、脱ぎ捨てた上草履(うわぞうり)の片方が見えています。(前期展示)

「北国五色墨(花魁)」
文化12年(1815)頃

「江戸自慢 四万六千日」(えどじまん しまんろくせんにち)大判錦絵 文政初期(1820年前後)

江戸の夏から初秋にかけての風物をコマ絵(本画の上部などに小さく描かれた絵)に描き、女性の夏姿を本画とする季節感あふれるシリーズ。本図のコマ絵は浅草寺の遠景。「四万六千日」とは旧暦七月九日・十日に行われる縁日で、現在は「ほおずき市」として知られています。背後で盛大に立ち上る蚊遣(かや)りの煙と、子供に引っ張られて解けかかった女性の帯の線の対比が印象的な構図の作品です。(前期展示)

「江戸自慢 四万六千日」
文政初期(1820年前後)

「新板錦絵当世美人合 杜若きどり」(しんぱんにしきえとうせいびじんあわせ とじゃくきどり)大判錦絵 文化12年(1815)頃

このシリーズは、花形役者をきどったさまざまな女性たちの姿を描いています。顔立ちも役者に似せてあり、一層、当時のファンを喜ばせたものでしょう。「杜若」とは、五代目岩井半四郎(1776-1847)の俳名で、この期を代表する女形でした。本図は、喧嘩した他の組から仲直りの酒が届けられたところ。中央の女性は、名女形を彷彿(ほうふつ)とさせる粋な姉御ぶりを発揮しています。(後期展示)

「新板錦絵当世美人合 杜若きどり」
文化12年(1815)頃

「当世三十弐相 ゑらい所のお娘御じゃ相」(とうせいさんじゅうにそう えらいところのおむすめごじゃそう)大判錦絵 文政初期(1820年前後)

「三十二相」とは、もともと仏教用語で仏の身に備わる三十二種の優れた相を意味しますが、浮世絵では女性の美しい相の譬えとして使われるようになりました。文政初期、国貞の半身像の最初の作品です。重そうな髪飾りに、緑色に光る口紅をさしていますが、まだ着物に肩上げが施してあります。背に垂らした蝶模様の飾りは、特に上方で町娘の愛らしさを表現する装いです。上方の裕福な商家のお嬢さんでしょう。(後期展示)

「当世三十弐相 ゑらい所のお娘御じゃ相」
文政初期(1820年前後)

「卯の花月」(うのはなづき)大判錦絵3枚続 江戸時代末期(19世紀半ば頃)

「卯の花月」とは陰暦四月の称。初鰹売りが長屋のおかみさんたちに囲まれて、丸々と太った新鮮な鰹をおろしている場面です。初物好きな江戸っ子たちが特に珍重したのが初鰹でした。おかみさんたちも待ちきれない様子でお皿を差し出しています。成田山講中の札や常磐津(ときわず)の看板など、それぞれの家のたたずまいも丁寧に描かれ、初夏の長屋の賑わいが画面一杯にあふれている作品です。(前期展示)

「卯の花月」
江戸時代末期(19世紀半ば頃)

「仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 秋野亭錦升 後 錦紅」(ルにっきだんじょうざえもんなおのり ごだいめまつもとこうしろう しゅうやていきんしょう のち きんこう)大判錦絵 文久3年(1863)

錦昇堂(きんしょうどう)(恵比寿屋庄七(えびすやしょうしち))版の役者大首絵として有名な作品集の中の1図。本図は鼻高(はなたか)幸四郎の異名を持つ五代目松本幸四郎(1764-1838)の仁木弾正。仁木弾正とは歌舞伎「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」に登場する人物。伊達騒動(だてそうどう)の原田甲斐(はらだかい)がモデルとされ、五代目幸四郎の当たり役として名高い人物です。迫力あふれる表情と、量感ある衣服によって御家乗っ取りを企てるこの役の凄味を描き切っています。彫師・摺師の卓越した技量も光る名作です。(前期展示)

「仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 秋野亭錦升 後 錦紅」
文久3年(1863)

開催概要

会期:2018年1月20日(土)~3月25日(日) 休館日:月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火)
開館時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで) 入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料
※団体割引は20名以上 ※リピーター割引:会期中に本展示の入館券をご提示いただけますと、2回目以降は200円引きとなります。

関連イベント情報

地下講堂にて定員120名(当日、開館時より整理券配布)
※整理券はお1人様につき1枚限定
 午後1時15分開場、整理券の番号順にご入場いただきます。
 午後1時30分開始(約90分予定)

2018年2月10日(土)
題目:「粋でイナセな浮世絵師、歌川国貞」
講師:小林忠氏(岡田美術館館長)

2018年2月24日(土)
題目:「江戸美人の流行通信」
講師:村田孝子氏(ポーラ文化研究所シニア研究員)

2018年3月10日(土)
題目:「私と国貞」(仮題)
講師:ロバート・キャンベル氏(国文学研究資料館館長)

<河野元昭館長のおしゃべりトーク>
日時:2018年3月3日(土)
題目:「桃山風俗画私論」
講師:河野元昭(静嘉堂文庫美術館館長)

<トークショー>
2018年1月20日(土)午後4時~午後4時45分(開場:午後3時45分)

ゲスト:太田記念美術館 主席学芸員 日野原 健司氏
出演:静嘉堂文庫 主任司書 成澤 麻子
ナビゲーター: 青い日記帳 Tak 中村 剛士氏

太田記念美術館の日野原主席学芸員をゲストにお迎えし、当館主任司書の成澤との楽しいトークショーを開催します。ナビゲーターは、アート系ブログのカリスマ的存在である青い日記帳Takさんこと中村剛士さんが担当します。

会場:地下講堂
参加費:無料(但し、当日の入館券が必要です。)

会場へは、先着順にご入場いただけますが、定員をオーバーした場合は、ご入場をご遠慮いただくことがございます。(入退場は自由です。)

司書による列品解説

展示内容・作品について担当司書が解説します。

午前11時から   1月27日(土)・3月17日(土)
午後2時から   2月15日(木)・3月22日(木)