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あこがれの明清(みんしん)絵画 ~日本が愛した中国絵画の名品たち~ <期間>2017年10月28日(土)― 12月17日(日) <休館日>月曜日

深遠な山水から愛らしい猫まで多様な様相をみせる中国・明清時代(1368~1912)の絵画は、江戸時代以降の日本でも多くの画家たちの憧れの的でした。静嘉堂の明清絵画コレクションは、質量ともに国内有数のコレクションとして知られていますが、本展ではその中から、日本の画家に多大な影響を与えた沈南蘋(しんなんぴん)の代表作をはじめ、日本が愛した中国絵画の名品を精選し展示いたします。

※会期中、一部作品の展示替をいたします。

主要展示作品

見どころ1:12年ぶりに明清絵画の優品を一挙公開!

李士達(りしたつ)・張瑞図(ちょうずいと)・王建章(おうけんしょう)といった名立たる画家たちによる山水画の名品や、日本の花鳥画に新風を巻き起こした沈南蘋(しんなんぴん)の代表作、また清朝の宮廷趣味がうかがえる華やかな草花の作品等、充実のコレクションをじっくりご堪能ください。

重要文化財 李士達(りしたつ)「秋景山水図」 明時代・万暦(ばんれき)46年(1618) 深遠なる山水画。明末を代表する画家、李士達の傑作!

李士達(1540年頃~1621年以降)は呉県(江蘇省)の人で、主に山水や人物を描いて活躍しました。濃淡・擦筆(さっぴつ)〔かすれた筆遣い〕、暈(ぼか)しなど多様な表現によって描かれた本作は、李士達の代表作として高く評価されています。

重要文化財 李士達「秋景山水図」
明時代・万暦46年(1618)

沈南蘋(しんなんぴん)「老圃秋容図」(ろうほしゅうようず)清時代・雍正9年(1731) 江戸時代の日本の画家たちが夢中になった、沈南蘋の代表作!

沈南蘋(沈銓(しんせん)・1682~1760~?)は雍正9年(享保16年・1731)に来日し、1年10カ月を長崎で過ごしました。写実性・吉祥性を兼ね備えたその画風は身分を問わず日本全国で大流行し、日本の花鳥画に新風を巻き起こしたのです。
本作は、黄蜀葵(とろろあおい)や朝顔の咲く中、猫がカミキリムシを狙い今にも飛びかかろうとする一瞬を描いたもの。猫(mao)は七十歳を意味する「耄(mao)」と音が通じることから、長寿の意味を持つ吉祥画題として好まれました。

沈南蘋「老圃秋容図」
清時代・雍正9年(1731)

(部分拡大)

余崧(よすう)「百花図巻」(部分) 清時代・乾隆(けんりゅう)60年(1795) 清朝の宮廷趣味を示す華麗な花々

余崧(生没年不詳)は、元和(江蘇省蘇州)の人。来日の確証はないものの、日本に作品が伝存し、江戸後期の史料にもたびたび登場する画家です。清朝の宮廷画家であった可能性も指摘されています。
本作は、鮮やかな色彩で百種類近くの草花・花木を四季を巡るように描いた図巻。清朝の宮廷趣味を示し、余崧の基準作とされる貴重な作品です。

余崧「百花図巻」(部分)
清時代・乾隆60年(1795)

見どころ2:日本の画家が描いた模本等も共に展示!

室町~明治時代にあたる明清時代に描かれた作品は、各時代の日本の画家たちに大きな影響を与えました。本展では、画家たちが実際に見たことがわかる明清絵画と、それを模写した作品・感想などを述べた跋文、愛蔵の文房具等も共に御覧いただきます。彼らが楽しみながら享受していた明清絵画への想いを、実際の作品を通して感じていただきたいと思います。

重要文化財 藍瑛(らんえい)「秋景山水図」 明時代・崇禎(すうてい)11年(1638) 重要文化財 谷文晁「藍瑛筆 秋景山水図模本」江戸時代・18~19世紀 中国でも日本でも受け継がれた画風!江戸後期の巨匠・谷文晁の模本も付属。

藍瑛(1585~1664?)は杭州を中心に活躍した画家で、過去の偉大な画家たちの筆法を模した作品を多く残しました。本作も、元時代の著名な画家、元末四大家の一人である王蒙(おうもう)の筆法に倣(なら)って描かれたものと、画中の款記からわかります。
本作には江戸時代後期を代表する画家・谷文晁(1763~1840)の模本が付属しています。藍瑛の画風が清時代に受け継がれてゆく一方で、日本においても多くの画家に受容され、様々に引用されていったことを物語る重要な作例の一つです。

重要文化財 藍瑛(らんえい)「秋景山水図」
明時代・崇禎(すうてい)11年(1638)

重要文化財 谷文晁「藍瑛筆 秋景山水図模本」
江戸時代・18~19世紀

見どころ3:書跡の優品も特別公開!

王鐸(おうたく)や張瑞図(ちょうずいと)といった、明末清初の個性的な書跡の優品も特別公開いたします。

重要文化財 張瑞図(ちょうずいと)「松山図」 明時代・崇禎(すうてい)4年(1631) 張瑞図(ちょうずいと)「草書五言律詩」明時代(17世紀) 絵も書も得意な張瑞図!円山応挙も模写しています。

張瑞図(1570~1641)は明末の書画家で晋江(福建省)の人。「奇想派(エキセントリック)」「変形主義」と評される代表的な画家の一人です。本作は、デフォルメされた山々が、うねるように画面上部へと伸び上る構図で描かれています。
近年の研究によって、円山応挙の『写生雑録帖』(個人蔵)に本作の模写があることが指摘されました。応挙の模写では、縮写した画よりも款記が大きく写されており、応挙が張瑞図を画家としてよりも書家として評価していたことがうかがわれます。
今回の展覧会では、張瑞図をはじめ、王鐸(おうたく)や米万鍾(べいばんしょう)といった明末清初の書跡も特別公開いたします。

重要文化財 張瑞図「松山図」
明時代・崇禎(すうてい)4年(1631)

張瑞図「草書五言律詩」
明時代(17世紀)

開催概要

会期:2017年10月28日(土)~12月17日(日) 休館日:月曜日
開館時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで) 入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料
※団体割引は20名以上 ※リピーター割引:会期中に本展示の入館券をご提示いただけますと、2回目以降は200円引きとなります。
【特別協力】公益財団法人泉屋博古館

関連イベント情報

【泉屋博古館分館との連携企画講演会!】
本展は泉屋博古館分館にて開催の特別展「典雅と奇想―明末清初の中国名画展」(11月3日~12月10日)との連携企画です。泉屋博古館分館の展覧会招待券または使用済みチケットをご持参の方、200円引きいたします。(他の割引との併用不可)
①~③ともに午前11時より地下講堂にて開催 定員120名様(当日午前10時より整理券配布 1名様につき1枚限定)
①11月4日(土)河野元昭(静嘉堂文庫美術館館長)「ネコ好き館長による猫の絵画史」
②11月19日(日)板倉聖哲氏(東京大学東洋文化研究所・情報学環教授)「豊かなる明末清初の絵画-倣古と奇想」
③11月25日(土)髙木聖雨氏(大東文化大学教授)・富田淳氏(東京国立博物館学芸企画部部長)対談「明末清初の書-連綿趣味の魅力を語る」

列品解説

展示内容・作品についてゲストと館長が解説します。(展示室にて)

午前11時から  11月11日(土)ゲスト:塚本麿充氏(東京大学東洋文化研究所 准教授)
                      12月2日(土)  館長 河野元昭

午後2時から  12月7日(木)・12月14日(木)館長 河野元昭