1977(昭和52)年6月から1988(昭和63)年3月まで静嘉堂文庫展示館において45回の展覧会を開催。その後、美術館建設・開館準備のため休館。静嘉堂文庫創設百周年に際して、1992年(平成4年)4月、静嘉堂文庫美術館が開館しました。年間4、5回の展覧会を開催しています。
「幕末の北方探検家」「北海道の名付け親」として有名な松浦(まつうら)武四郎(たけしろう)(1818—1888)は、伊勢国一志郡須川村(現、三重県松阪市)の郷士の家に生まれました。少年の頃から日本全国、旅をして歩きましたが、時勢の中で特に北方に強い関心を持ち、弘化2年(1845)から安政5年(1858)まで、13年間に計6回にわたり、東西・北蝦夷地(えぞち)、クナシリ、エトロフ島を探査。アイヌの人々とも深く交流し、関連する多くの著書を刊行しました。その後、開拓使判官になるも1年で辞し、以後全国遊歴と著述の日々を送りました。このような旅の巨人武四郎はまた古物に興味を持ち、考古遺物の大コレクターとしても知られています。
今回、静嘉堂が所蔵する武四郎旧蔵考古遺物コレクションの中より主要な物を選び、初公開致します。今まで全く世に知られていなかったこの幻のコレクションには、古墳時代の美しいヒスイの勾玉や大きな古鈴、また歴史時代の考古遺物など、学問上重要な資料となるものも含まれています。
本展では、それらの考古遺物を中心に、幕末・明治に生きた特異な探検家、松浦武四郎の生涯と人物像を紹介してまいります。
下記より目録をご覧いただけます。
松浦武四郎 目録 (403kb)